◆国民年金に加入していないとどうなるのか?

 日本は、誰もが公的年金に加入できる国民皆年金の制度をとっています。そのため、国民年金は全国民共通の基礎年金を支給する制度として設けられており、20歳から60歳になるまで加入して保険料を納めなければならないことになっています。つまり、保険料を納めることが国民年金に加入するということになります。
 ただし、共通の制度とはいっても、企業や役所に勤めるサラリーマンと自営業者などでは、国民年金の保険料の納め方が違います。サラリーマンの場合は、厚生年金や共済年金の保険料が毎月の給与から天引きされており、その中に国民年金の保険料も含まれています。ですから、厚生年金や共済年金に加入しているサラリーマンは、とくに手続きしなくても国民年金の加入者になっていますので未加入の心配をする必要はありません。
 一方、自営業者などの場合は、住んでいる市区町村の役所や役場に行って自分で加入手続きをし、保険料を納めなければなりません。加入手続きをしても、保険料を納めないと加入したことにはなりません。
 老後にもらえる老齢基礎年金は、保険料を納めた期間(月数)に応じて支給されるので、未加入期間の分だけ年金額が減ってしまいます。さらに、加入期間が25年に達しない場合は、1円の年金ももらえなくなります。
 また、保険料を長期間滞納していると交通事故などで障害者になったり、死亡した場合でも、障害年金や遺族年金が受け取れなくなります。
 生活が苦しい場合には保険料を納めるのがつらくなりがちですが、このような場合には申請して免除を受けることができます。
 サラリーマンの場合に注意したいのは、転職をするときです。次の会社に入社するのが翌月以降になる場合には、国民年金の未加入期間が生じます。自営業者と同じく加入手続きをして保険料を納める必要があります。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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