◆年金を受け取るための条件は?

 公的年金には、国民年金、厚生年金、共済年金の3つの制度がありますが、いずれの年金も、加入実績に応じた額の年金が支給されます。公的年金は誰でも受け取れる制度ですが、年金をもらうために最低限満たさなければならない条件があります。

 公的年金をもらえる権利のことを受給資格といいますが、受給資格は一定期間加入することによって得られます。
 つまり、受給資格を得るということは受給資格期間を満たすということです。受給資格期間に1か月でも不足すると年金は1円ももらえなくなります。

 とくに重要なのは、国民年金から支給される老齢基礎年金の受給資格です。老齢基礎年金は、どの制度の加入者にも共通であり、国民年金に原則25年以上加入することで受給資格が得られます。

 厚生年金加入者や共済年金加入者は、同時に国民年金の加入者でもあるので、厚生年金や共済年金の加入期間はそのまま国民年金の加入期間となります。また、現在は厚生年金や共済年金に20年加入すれば老齢基礎年金の受給資格期間を満たすことになっていますので、国民年金だけの加入者に比べて有利になっています。

 一方、厚生年金や共済年金は1か月でも加入実績があれば、年金を受給することができます。ところが、「老齢基礎年金の受給資格を満たしたうえで」という条件がついていますので、結局、20年あるいは25年という長期の加入期間が必要となります。

 しかし、若いころOLを1年くらいやっただけで専業主婦になった人などは、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金ももらえるので、手続きを忘れないようにしたいものです。1年分の老齢厚生年金でも年額3万円くらいになりますので、ばかにできません。毎年3万円の小遣いがあるかないかの違いになってきます。

 

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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