◆私的年金制度のしくみ
私的年金は、企業が自社の従業員を対象に実施する企業年金と個人が保険会社などと契約して行う個人年金の2つに大きく分かれます。いずれも、公的年金を補完する役割をもっており、公的年金に上乗せして老後資金の充実を図ることを目的としています。
企業年金は企業が制度を設計し、原則として従業員全員を対象として一律に実施します。終身年金もありますが、多くの企業では定年退職後10年程度の一定期間だけ支給する有期年金で実施しています。また、退職時に全額または一部を一時金で受け取ることができるのが一般的です。
企業年金の代表的なものには、厚生年金基金、適格退職年金、確定拠出年金(日本版401k)などがあります。
厚生年金基金は、公的年金である国の厚生年金とセットになったもので、企業にとって制約が厳しい代わりに、税制的な特典も手厚くなっています。
確定拠出年金は、厚生年金基金や適格退職年金のように企業が導入して実施するタイプと従業員が国民年金基金連合会というところへ任意に申し込んで行うタイプの2種類があります。任意に申し込むタイプのものは自営業者も加入できます。
個人年金は、個人が老後資金充実を目的として行うもので、生命保険会社などで販売している年金で受け取れるタイプの金融商品を購入します。サラリーマンや自営業者などを問わず、誰でも自分の事情に合わせて自由に選ぶことができます。
企業年金は、従業員給与の後払い的な要素や福利厚生的な要素があるので、原則として企業が原資を提供します。これに対して個人年金の場合は、個人が自分で原資を出して生命保険会社などで運用してもらい、運用益と合わせて老後に年金として受け取っていきます。終身年金タイプと有期年金タイプがあります。
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