◆年金にはどんな種類があるの?

 年金制度は、よく4階建てビルのような構造だといわれます。ベースとなる年金制度に上乗せされる形で、さまざまな年金制度が階層をなしているからです。大きく分けると公的年金と私的年金になり、公的年金は基礎年金と上乗せ年金、私的年金は企業年金と個人年金に分かれます。
 ビルというのは、土台がないと築けませんから、下の階がなくて上の階だけあるということはありません。つまり、下の階の年金ほど基礎的で不可欠な年金だということになります。

 私的年金よりは公的年金の方が優先度が高く、公的年金でも1階の国民年金は、全国民共通の基礎的な年金となっています。国民年金が基礎年金と呼ばれるのはこのためです。
 2階部分の厚生年金や共済年金はサラリーマンだけが対象であり、3階部分の企業年金は、導入している民間企業のサラリーマンだけが対象となります。

 4階部分の個人年金は、誰でも加入できますが、預貯金や生命保険契約と同じく任意の契約です。年金制度というよりは、年金で受け取れるようにした金融商品の一種と考えてよいでしょう。
 サラリーマンの場合は、1階から4階まですべての年金が対象となります。ただし、企業年金は、勤め先の企業が制度として導入していなければ入ることはできません。

 一方、自営業者の場合は、公的年金は1階の国民年金のみで、2階部分の上乗せ年金はありません。企業年金もありませんが、新しくできた確定拠出年金には、希望によって加入することができます。また、企業年金のない企業に勤めるサラリーマンも確定拠出年金に加入することができます。
 1階の国民年金は誰でも同じ(加入期間が同じなら同じ年金額)ですが、2階より上の年金は人によって大きく異なりますので、自分の年金額を把握してみることが大切です。

 

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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