◆GIS

GIS(Geographical Information System)とは「地理情報システム」と訳され、デジタル化された地図情報をベースに、詳細な地形や土地利用情報、施設施設などの整備状況といったさまざまな位置情報と統計データを多層的に蓄積することでリアルなデータ解析やシミュレーションを可能にするものです。GISは、もともと地震などの災害時の避難経路や災害状況のシミュレートや把握のために用いられていましたが、マーケティングのツールとしても活用の幅が広がっています。

 人口統計と商業施設情報と地図情報を組み合わせることで新規店舗の出店計画に役立てる等は既に行われていますし、またエリアマーケティングにおいては、例えば小売業の販売実績データと顧客データを地図情報と組み合わせることで、どの地域に自店の顧客が分布しているのかをビジュアルに把握することができます。さらに競合店舗データをプロットすることで、競合との関係の中でどのエリアが影響を受けているのかを把握することができ、例えばより効率的なチラシ配布エリアを決定する上などプロモーション計画策定にも非常に有効です。

 また、最近注目されているWEBGISとは、インターネット上に空間データのサーバを設け、ユーザーの携帯電話等に地図や店舗等の情報を配信するシステムです。この技術をデータウェアハウス、データマイニング等のシステムと組み合わせれば、個人の許可があることを前提として、今新宿にいてファッションに興味がある顧客の携帯電話宛てに近隣のファッションビルにおけるバーゲン情報を配信する等これまででは全く考えられなかったプロモーションが実現します。さらに物流においても配送ルートの見直しや、配送体制の見直し等に役立てることができます。

 GISは利用コストも徐々に下がってきており、IT時代のマーケティングの強力な武器として今後確実に広がっていくでしょう。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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