◆経営とマーケティング
経営、すなわち企業の事業活動とは、製品やサービスを継続的に社会に提供しつづけることで、社会に貢献しながら利益を獲得することです。そして、経営の目標としては収益や、株価時価総額の最大化等を掲げ、目標達成のために、自社の有する「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」等の経営資源を活用して事業活動を続けていくわけです。
そしてこれを別の視点で見ると、企業は社会及びその構成員である顧客のニーズに合致したものを、最適な価格や手法で提供しつづける活動(つまり正しいマーケティング活動)を進めていかなければ、目標達成はもとより、社会や顧客に受け入れられる健全な企業活動を営むことができないでしょう。そのような点から、マーケティングとはまさに経営の根幹をなすものだといっても過言ではありません。
事業活動の機能には、製品やサービスを市場に提供するための「研究、開発、調達、生産、物流、マーケティング、販売、サービス等」の主機能と、それらを円滑に進めるために不可欠な「財務、人事、組織、情報システム等」のサブ機能に分けられます。これらの各機能は、企業全体の理念に基づき、目標を達成するために各個別の目標を設定して活動していくわけですが、すべての要素が顧客ニーズを満たすためのマーケティング活動という視点から統合されていなければいけません。
経営戦略を受けて策定されたマーケティング戦略は、あくまでも「作ったものを売る」のではなく「顧客のニーズにあったものを提供する」という発想を原点にしなければいけません。そして、マーケティング戦略を実行する上では、マーケティング・マネジメント(企業の目標達成のためにターゲット市場や顧客との間に有用な交換を生み出し、築き上げ、維持していくための分析、計画、実行、管理の一連のプロセス)を徹底していく必要があるのです。
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