◆日常情報の管理

 企業には、社員の人事記録、顧客の属性などの顧客預かりデータ、営業記録など、社外に漏れてはいけない情報が多数存在しています。

 これらの情報は日々活用するだけに、取扱規定を知らされていても個々人が徹底するのはむずかしく、その通りにはなかなか実行されずに、簡単にルール違反が起きるものです。

 しかし、顧客情報が安易に社外に漏れるようなずさんな管理体制であったりすると、今後は個人情報保護法違反となり、損害賠償請求をされるだけでなく、改善命令などを受けることになります。

 銀行などでは、犯罪目的で顧客を装って口座番号の確認を求められることもあり、その場で答えてしまうと違法行為となります。

 コンピュータによるデータ管理も要注意です。昨今は、不正アクセス防止法により、企業には簡単にハッカーなどに侵入されないよう適切な措置を講じる義務があります。

 コンピュータ・データに関しては、社員、外部、システム構築会社などからの漏洩を防ぐセキュリティ対策を講じることが重要です。

 また、重要文書に関する日常の管理体制としては次の方法が望まれます。
@文書を重要度に分けて管理する
A複写禁止など、秘密文書である表示を行う
B文書ごとに保管方法を分ける
C文書の持ち出し、返却記録をつける
Dコピー機の管理(枚数や設置場所)を行う
E文書を廃棄するときには必ずシュレッダーをかける
F外部者(印刷業者やシステム会社)にデータを委ねるときは秘密保持契約を結ぶ

 さらに、秘密文書管理に関する社内規定をつくり、秘密文書管理担当を置くことも大切です。企業秘密はちょっとしたミスから漏洩することも多いので、社内で何が秘密文書でどう扱うかというマニュアルや方針をつくり、まずは社員全員がよく理解すること。これが日常情報管理の第一歩です。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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