◆セクハラとは何か?
セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とは性的いやがらせのことです。
日本では、1999年に男女雇用機会均等法が改正され、職場でのセクハラ対策が会社に義務づけられるようになりました。
厚生労働省によると、セクハラには大きく2種類があります。@上司が地位を利用して交際を迫るなどの対価型、A女性社員の肩を触ったり、不快な言動をしたり、職場にヌード写真を貼るなどの環境型です。
もちろん、セクハラの被害者がいつも女性であるとは限りません。注意すべきは飲み会など社外での行為、営業先など取引先からの行為も、会社に対策義務がある点です。この義務を怠ると、会社が訴えられるリスクが発生します。
また、安易に加害者の社員をクビにすると、不服として訴えられるリスクもあります。実際、双方から訴えられ、双方に和解金を払った会社もあります。このようなリスクを回避するためには、以下のことが必要です。
@セクハラへの理解、および防止に関する教育を行う
A問題が起きたときの事実解明体制を整える
B日頃のトラブルなどの相談窓口を設ける
Cセクハラ防止状況のチェック体制をつくる
ある調査によると、従業員1000人以上の企業の7割が、方針や窓口などを整備しているといいます。しかし、社内窓口の担当者を人事部員が兼ねていたりするなど、被害者への配慮が足りず、こじれた末に公的機関へ相談が持ち込まれることも多いのが実態です。
富士ゼロックスでは、社外の専門相談員が応じるフリーダイヤルの「セクハラ防止ホットライン」を設置し、匿名相談にも応じています。ホットラインの番号を記した名刺大のカードを全社員に配布するなどして抑止効果も狙っているようです。
セクハラは個人が起こす事件であっても、企業の責任が問われるので、防止するための啓蒙と体制づくりがリスク管理上不可欠です。
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