◆部門別コンプライアンス体制・・・・・接客部門

 接客現場で、気をつけなければいけないのは、お客さんからの問い合わせやクレームへの対応です。
 接客でも営業でも同じですが、商品やサービスの安全対策はもはや当然のことで、さらに商品によっては十分な説明をすることが企業に求められています。商品の売込みや取引の勧誘において、説明義務違反がある場合には、会社に使用者責任が生じることもあります。

 ある電機メーカーでは、1人の顧客に対する説明不足、対応ミスが社会的関心を呼び、大きなダメージを受けることになりました。
 これは、そもそもパソコンの使い方に関する問い合わせから始まりました。電話がたらい回しになり、担当者がこのユーザーに暴言ととられかねない内容の発言をしてしまいました。頭にきたユーザーがインターネットを使って、メーカーの対応の悪さを告発したというものです。
 一般に接客現場では、言葉づかいのミス、電話のたらい回し、いい加減な対応などが、クレームへと発展。これを放置すると、マスコミへの投書、訴訟、ホームページでの告発、社長への抗議文、暴力団の介入などのリスクが発生します。これが、会社の信用失墜、売上低下、株価下落につながりかねません。 とくに昨今は、インターネットで誰でも簡単に告発できるだけに要注意です。

 こうした事態を防ぐには、一見の客にすぎないとか、継続客だから大事にしようなどと、差別的な対応はしないこと。また、接客のスタイルや想定される問い合わせに適切に応えるマニュアルを会社で整備し、全社員が遵守するように徹底することです。
 日本で狂牛病が発覚したとき、日本マクドナルドでは「当社の牛肉はオーストラリアのどこどこ産です」と、全店舗でその安全性を的確に説明できるようにしました。ただし、接客マニュアルには自ずと限界があります。社員個人の誠意と健全な社会的視点を醸成していくことが大切です。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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