サミット・G8の役割

 2000年7月に沖縄でサミット(主要国首脳会議)が行われ、世界規模でIT革命のための規制緩和を推進するIT憲章、国際紛争の防止などが採択されました。

 サミットとはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7か国の首脳による年1回の会談。目的は、世界の政治、経済、平和、環境問題などさまざまな課題を協議し、政策協調を行うこと。始まった当初は、東西冷戦の最中にあり、西側諸国の結束をアピールするという意味合いを強くもっていました。

 パリで開催された第1回サミットのテーマは、石油ショック後の世界的不況を克服するため各国が政策協調を取ることでした。1980年代に入ると、ソ連のアフガニスタン侵攻がテーマになるなど政治的色彩が濃くなります。そして1991年のボン・サミットは、旧ソ連のゴルバチョフ大統領が参加し、東西冷戦の終結を世界にアピールした歴史的な会議として有名です。

 その後、1997年からはロシアも参加し、8か国となっています。しかし、東西冷戦が終わった今では形骸化してきているのも事実。毎回さまざまなテーマが合意されていますが、実際に改善された例が少ないのが現状です。

 一方、G8(先進8か国蔵相・中央銀行総裁会議。参加国はサミットと同じ)は、通貨問題や途上国の債務問題など各国のマクロ経済政策の協調を行う会議。1985年に米国の財政赤字からドル安へ協調介入(為替相場を安定させるために各国が協調して外国為替市場へ介入すること)したプラザ合意が有名です。こうした動きは、サミットと異なり実効力があるといえます。

 2000年には沖縄サミットに先立ち福岡市で開催され、世界規模の通貨危機の再発防止を目指す国際金融システム改革、国際通貨基金(IMF)の融資制度見直しなどについて具体的な方向性が議論されました。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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