OECD(経済協力開発機構)の役割

 OECD(経済協力開発機構)は、国際経済全般の問題をグローバルな視点から協議する国際機関です。現在、29か国が加盟しており、これらの国々をもって「主要先進国」とされることもあります。日本は1964年に加盟しました。

 OECDの前身は、第2次大戦後のマーシャルプラン(1947年にアメリカのマーシャル国務長官により構想された欧州復興計画)の受け入れ機関だったOEEC(欧州経済協力機構)です。戦後の混乱期にあったヨーロッパは、必要な食料や緊急物資を輸入に頼らざるをえなかったのですが、その支払い能力はなく大きな経済・社会的後退は避けられない状況でした。これを救ったのがマーシャルプランで、ひと言でいうと、食料や工業生産品の援助です。このOEECを、世界経済情勢に合わせて1961年に改組してできたのがOECDです。

その目的は、

@雇用・生活水準の向上を達成し、世界経済の発展に貢献する
A発展途上国の経済発展に寄与する
B世界貿易の多角的拡大に貢献する
 などで、その実現のために情報交換や共同討議、共同研究などを行っています。

 下部組織に39の委員会が設置されており、開発援助委員会では各国のODA(政府開発援助)を取りまとめています。

 ODAは、先進国が発展途上国の社会・教育・経済発展のために行う公的援助で、資金の贈与援助、低金利で資金を融資する借款、技術協力などがあります。その支援金額では91年以降、8年連続で日本がトップで、1998年のODA総額約516億ドルのうち20%を日本が占めていますが、日本のODAはプロジェクトの受注先を日本企業に限定する「ひもつき援助」や、資金が途上国の支配者の利権に回ってしまうなどの問題も抱えています。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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