◆最近人気の投資信託って何?

 多くの投資家から資金を集めて1つの基金として、投資の専門家が内外の株式や公社債などの有価証券で運用する金融商品を「投資信託」といいます。

 数年前、アメリカのヘッジファンド(16章の5参照)と呼ばれる基金が世界の金融市場で巨額の投資を行い物議をかもしましたが、これも投資信託の一種です。投資信託は昨今、日本でもブームになってきていますが、その理由は個人でも簡単に財産のポートフォリオ運用ができるからです。ポートフォリオ運用とは、お金を複数の金融商品に分散投資すること。そうすることで、一気に資産を失うリスクを回避できます。リスクのある金融商品を選ぶ上では大切な運用方法です。

 ふつうポートフォリオ運用はまとまった資金が必要で、素人では何に分散投資すればいいか判断は困難です。その点、投資信託なら10万円程度から専門家の手によるポートフォリオ運用ができるわけです。預金金利の超低金利を背景に、今後は投資信託へのニーズががますます伸びると予想されます。

 投資信託は、設立および契約のしかたによって2種類あります。契約型投資信託とは、投資家が運用を行う会社に資金を委託する契約を結び、かわりに受益証券を受け取るしくみになっています。一方、会社型投資信託とは投資家が運用する会社の株主となって、基金の運用益を配当の形で受け取るものです。

 双方とも投資先によって、さまざまな種類があります。たとえば、リスクの少ない公債や大型株に投資するもの。あるいは成長著しいベンチャー企業の株に投資するものなど。このように、投資信託は自分の投資目的に合う商品を選べるのが魅力です。ただし、元本保証はありません。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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