国際会計基準って何?

 国際会計基準とは、企業の決算書のグローバル・スタンダードのことです。
 現在、金融市場がグローバル化していますが、いくら日本の市場をオープンにしても、企業の内容を外国人投資家が理解できなければ、海外の資金は入ってきません。そこで、不透明といわれる日本の制度を国際会計基準委員会が定める基準に合わせ、内外の投資家に透明な企業情報を提供していくことになりました。基本的な項目は以下の4つです。

@連結財務諸表の重視:これまで大企業の決算は本社だけが基本でしたが、これを株式を実質的に支配しているグループ全体に広げます。これによって、子会社にも高収益体質が求められるので、大企業のグループ内整理統合が大胆に進んでいくと予想されます。

A金融資産を時価評価へ:これまで日本の企業は、所有する有価証券を簿価(買ったきの価格)で決算を行ってきました。しかし、今後は時価(現在の価格)で計上するようにとなります。日本の株価はバブル崩壊で時価が急減しており、海外から正確な財務内容を反映していない(含み損が大きい)と批判されることが多かったためです。企業は損失が発生しそうな金融資産を未然に売却するなどの対応が求められます。

B退職金・年金債務の計上:バブル崩壊によって多額の企業年金・退職金の債務を負っている会社があります。このような会社では、これらを決算に計上すると赤字になってしまうため、企業年金の解散、終身雇用と退職金の見直しは必至になります。

Cキャッシュフローの重視:手持ち現金の流れから企業の体力を見る「キャッシュフロー計算書」の作成が義務づけられます。

 国際会計基準は2000年3月期から導入。会計制度がグローバル・スタンダードになることによって、日本企業の経営スタイルは大きく変わるでしょう。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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