◆ERP(Enterprise Resource Planning)

ERP(Enterprise Resource Planning)は、財務管理、人事管理、生産管理、在庫管理、販売管理などの企業の基幹業務全体を対象に、企業の資源を統合的に管理するシステムのことをいいます。ちなみに、ERPを直訳すると「企業の資源の最適化計画」となります。従来から、多くの企業で、財務管理、人事管理、生産管理などの各業務は、それぞれコンピュータ利用の管理が行われてきました。しかし、それは、各業務で完結したシステムになっており、データの共有やシステム上での連携はあまり行われず、所有するデータや業務内容が重複することもありました。ERPにおいては、各業務全体を包むシステムになっているため、データ等の共有、連携が図られ、業務全体の効率化が大きく進むことになります。
例えば、販売データは、少なくとも販売管理と財務管理の両部門でもっているのが通常です。これを双方で利用しやすいフォーマットに統一し、一括管理すれば、事務量の削減とともに、販売管理で作成したデータをリアルタイムに財務管理で利用でき、ダイナミックな企業戦略が立てやすくなる可能性があります。
ERPを実現するために開発されたソフトウェアを、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)といいます。さまざまな企業の多様な条件を検討して、標準的な機能をもつ形でつくられており、各企業のそれぞれの条件を初期設定するだけで、簡単にERPを実現できます。ERPパッケージを利用すると、新規にソフトウェアを開発する必要がないため、低コストで短期間のうちに、各社に合ったERPを立ち上げることができます。
このERPパッケージは、日本でも、アメリカ・オラクル社の「Oracleアプリケーション」をはじめ、いろいろの種類が販売されています。しかし、各企業の条件を設定するだけで簡単に利用できるとはいえ、企業によっては、標準に合わない業務をもっているところもあり、導入に際しては、十分な事前調査が必要です。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

株式会社アイ・イーシー 東京都千代田区飯田橋4-4-15
All Rights Reserved by IEC
本サイトのコンテンツの無断転載を禁止します