◆SCM(Supply Chain Management)

SCM(Supply Chain Management)は、生産から消費者への商品納品までの物品供給の管理システムのことです。メーカーを例にとると、部品等の資材調達から製造(組み立て等)、製品の在庫、さらに、卸・小売から顧客への配達にいたるまで、物品供給全体をネットワークで結び、生産、在庫、販売、物流などの情報を関係部署間で交換することにより、企業の枠を越えて、生産・消費活動を効率的に行おうとする経営システムを指します。物品の供給(サプライ)が鎖(チェーン)のようにつながっている管理システム(マネージメント)ということから、サプライチェーン・マネージメントと名付けられました。
サプライチェーン・マネージメントの考え方は、1980年代にアメリカで生まれました。アメリカでは、当時、トヨタ自動車の「かんばん方式」など、日本の経営方式に注目し、それに習って生産方式を革新しようとする動きが起こっていました。「かんばん方式」というのは、部品などの在庫をできるだけもたず、必要なときに必要な量だけ調達しようという合理的な生産システムのことです。さらに、その後、食品、日用品、服飾等の軽工業品業界で起こった物流改革の動きが加わり、サプライチェーン・マネージメントのシステムが誕生したのです。
サプライチェーン・マネージメントとは、ひとことでいえば、「情報の流れを円滑にすることで、モノの流れの効率化を図る」ことです。それにより、タイム・ロスの削減、在庫コストや物流コストの削減、顧客の希望に対する迅速な対応等を図ります。モノの流れは手間や場所をとるということで、効率化は実現しにくい分野ですが、IT(情報技術)の力によって、少しでも効率を上げようとしているのです。特に、系列化の進んだ日本企業では、サプライチェーン・マネージメントの効果は大きいでしょう。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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