◆ネットワーク・セキュリティー

 ネットワーク・セキュリティー(network security)とは、ネットワーク上での事件・事故に対する安全システムの総称です。インターネットは、全世界をおおう広範囲性とだれでも簡単に利用できるという公開性等により、さまざまな分野において、画期的な役割を果たしつつあります。しかし、この広範囲性と公開性は、便利さの条件である反面、事件・事故、特に便利さの悪用という事件に対しては、そのままではあまりに無防備です。そのため、ユーザーや各サイト(接続業者等のハードとソフト)のシステムの正常稼動を確保したり、データの機密保持を図ったり、不正な侵入を防御する等を目的としたネットワーク・セキュリティーの確立は欠かせません。
 特に、インターネット利用の爆発的な普及を背景に、ネットワーク犯罪が急増しています。例えば、他人のID(Identification=ユーザー名やパスワードなどの識別記号)を使ってインターネットを無料で利用したり、不正な商取引をしたり、個人データを盗んだり、他人を中傷したり、プライバシーを侵害したりと、窃盗、詐欺にあたるさまざまな犯罪が横行しています。また、いわゆるハッカー等による、システムやデータへの侵入、破壊行為も少なくありません。
 こうした事件に対しては、防御のための制度・法律面の整備が進められていますが、情報・通信技術上の保護対策も重要です。そうした対策としては、次の3つを中心に、技術の向上が図られています。
・暗号方式:データをそのままでは第三者に分からない暗号にするシステム。
・認証方式:正規のユーザー以外からの通信を拒否するシステム。
・ファイアウォール:ネットワーク同士の接続点での、交信データの監視。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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