◆ＰＤＦ（配信用電子文書フォーマット）

　ＰＤＦ（Portable Document Format）は、アメリカのアドビシステム社が開発した配信用電子文書フォーマットのことで、世界標準になっています。ソフトウェア・パッケージの商標が「Acrobat」となっているため、Acrobat形式と呼ばれることもあります。

　ワープロ・ソフトやＤＴＰ（Desktop Publishing：パソコン利用の編集・印刷システム）ソフト、表計算ソフト等によって制作された文書は、一定のレイアウトの基に、テキスト、図表等で構成されており、文字や罫には、さまざまなフォント、ポイント等が使われます。

このような文書をネットワークを利用して配信しても、相手が同じコンピュータ環境（基本ソフト、アプリケーション・ソフト、フォント・ソフトなど）をもっていないと、データ交換はできません。ＰＤＦは、こうした限界を克服し、相手のコンピュータ環境を考慮することなく文書データを送ることのできるファイル形式です。

例えば、マッキントッシュのあるワープロ・ソフトで作成した文書を、同じワープロ・ソフトやフォント・ソフトをもっていないウィンドウズ搭載機種で受け取って画面に表示したり、プリントしたりすることができる訳です。したがって、インターネットを利用して文書を配信するのに便利なフォーマットということができます。

　具体的には、アプリケーション・ソフトでつくった文書をＡｄｏｂｅ　Ａｃｒｏｂａｔというソフトウェアを使ってＰＤＦ形式の文書に変換します。また、受け取ったＰＤＦ形式の文書は、Adobe Acrobat Readerというソフトウェアを使って閲覧したり、印刷したりできます。
因みに、ＰＤＦは、ポストスクリプト（Postscript：プリンターに印刷の内容を指示するためのページ記述言語の１つ）の仕様を利用しており、高品位な印刷が可能となっています。