◆RFC(インターネット利用のための文書類)

 RFC(Request For Comments)は、一般にはTCP/IPの企画書として理解されていますが、インターネットに関するさまざまな仕様、技術、情報、研究等の文書群を指します。IETF(Internet Engineering Task Force)というインターネットの技術開発組織(標準化作業を担当)がまとめて公開しており、1979年に最初の文書が作成されて以降年々積み重ねられています。
 内容は、主に、インターネットに不可欠なプロトコル(通信規約)、データ通信、暗証、認証等の方法に関する技術・仕様などの文書で、現在の標準になっているものから中には陳腐になってしまったものまで、さまざまです。各文書には連番が付けられており、例えば、TCPの標準に関するものはRFC793、IPの標準に関するものはRFC791、電子メールの仕様に関するものはRFC822、という具合です。

 また、RFCの内容はインターネット上等に完全に公開されており、電子メールやFTP(File Transfer Protocol:ファイル転送用の通信規約)を使って簡単に入手できます。日本でもインターネットを詳しく知るためや研究目的で利用している人は、少なくありません。また、決められた約束に従えば、インターネットを利用して、提案や意見の交換を自由に行うこともできます。こうした公開制が、インターネットの驚異的な発展要因の1つになっているともいえます。

 ちなみに、IETFは、IAB(Internet Architecture Board:インターネットの標準化作業統括組織)に属しており、IABには、IETFのほか、先端技術の研究を担当しているIRTF(Internet Research Task Force)、インターネットやプロトコルの登録作業を担当しているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)などがあります。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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