◆TCP/IP(インターネットの通信規約)

 異なった機種のコンピューターや異なった種類のOSを結んだインターネットという通信ネットワークが成り立っているのは、このTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)というプロトコル(通信規約)によります。プロトコルは、ケーブルを接続するコネクタの形、モデムの仕様、通信するデータの仕様、通信に必要なプログラムの仕様等についての取り決めで、ユーザーのコンピューターにこのプロトコルが用意されていれば、インターネットに参加して、データの送受信が可能となり、電子メールやホームページを楽しむことができるのです。現在では、WindowsやMac OSなどのOS(基本ソフトウェア)には、TCP/IPが標準装備されています。

 TCP/IPは、見てのとおり、TCPとIPという2つのプロトコルの組み合わせで成り立っています。このうち、TCPは、データをパケット(通信するデータの単位)に分割し、それにパケット番号を付ける等の規約です。いわば、送りたい荷物を適当な大きさの包みにし、包みを区別するための番号を付けて、送りやすい形にする仕事のルールを決めています。また、IPは、パケットに発信元と送信先のアドレス(住所)を付け、パケットをネットワークに送り出すための規約です。荷物に送付伝票を付け、運送屋さんに渡す仕事の取り決めといえます。

 このTCP/IPは、1980年代にアメリカの国防省によって標準プロトコルとされ、その後、アメリカの大学や研究機関を結んだネットワークでの利用を経て、インターネットの標準プロトコルとなり、現在のインターネットの隆盛を支えています。また、そのほかのイントラネットやLAN(構内通信網)などの通信ネットにも幅広く利用されています。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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