◆働く女性と法律

 働く女性のための法律にはどのようなものがあるでしょうか。

 平成11年6月に公布・施行された「男女共同参画社会基本法」は、男女共同参画社会の形成推進を目的とする法律です。今日、社会のさまざまな分野で多くの女性が活動していますが、政策・方針決定への関与は男性に比べるとまだまだ少ないといえるでしょう。この法律は、固定的な性による役割分担を反映した現在の制度や慣行を中立的なものに変えていくことをめざし、国や自治体、民間を問わず、政策の立案や決定は男女が共同して参画することや、そうした活動を家庭生活と両立させることをうたっています。

 これは他の個別法や施策を方向づけるもので、働く現場でも採用、教育、管理職への登用などの機会を女性に積極的に提供することを明確に求めています。これを受けて、地方自治体でも男女平等基本条例策定への関心が高まっています。

 平成11年4月には、働く女性に関わる重要な法律がいくつか施行されています。まず、「労働基準法」の改正です。女性労働者の時間外労働と休日労働の禁止が撤廃され、男性と同様の条件での労働が可能になりました。その女性保護規定の緩和を受けて改正されたのが、それまでの育児休業法に介護休業に関する条項が加えられた「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」です。ここでは、女性労働者の深夜業が解禁になったことによる家庭生活への影響に配慮し、小学校就学前の子どもを養育する労働者や介護を必要とする家族をもつ労働者から請求があった場合には、その者に深夜業をさせてはならないとしています。

「改正男女雇用機会均等法」も同じ時期から全面施行となり、女性労働者に対する差別の禁止(それまでは事業主の努力義務)、積極的差別の是正などが定められました。










弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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