◆セクハラ上司撃退法
セクハラとはセクシャル・ハラスメントの略で、「性的嫌がらせ」という意味です。職場においては、相手の意に反した性的なはたらきかけを行い、性的に品位を傷つけ差別することによって、仕事を進めるうえで不当な不利益を与えたり、そうした行為を繰り返すことで職場の環境を著しく不快に悪化させることをいいます。
とはいっても、その解釈基準が具体的に確立されているとはいいきれません。一般には、痴漢行為やわいせつ行為よりも広い範囲の行為を指し、不必要な肉体的接触、容姿に関する侮辱的表現、地位利用による性行為の要求などがセクハラにあてはまるでしょう。
たとえば、あなたがOLだったとします。直属の上司が何かにつけてあなたに対して異常に身体を接近させてきて、あなたが避けようとしているにもかかわらず、コンピュータのマウスを持つ手の上に手を重ねてきたり、書類をのぞき込むふりをして身体を密着させたりすれば、これは不必要な肉体接触です。また、「太ってきたのは恋人がかまってくれないからだろう」とか、「急に色っぽくなったのは怪しい」とか、その種の発言も問題でしょう。いずれの場合も、あなたが不快に感じる限り、親愛の表現とか軽口のつもりなどという言い逃れは通用しません。
あなたがはっきり拒絶してもその行為をやめなかったり、あるいはあなたに不利益を与えることで報復したりした場合は、加害者の上司や責任者に事情を説明して改善を求めます。その際、具体的にいつどういうことがあったという記録や証人があったほうがいいでしょう。会社の対応が悪ければ、労働組合や外部の組織などに相談します。平成11年4月から施行された「男女雇用機会均等法」の改正では、事業主にセクハラ防止のための雇用管理上の配慮をすることが義務づけられ、法的な整備も徐々に進められつつあります。
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