◆中国を知るための良書

昨今の中国ブームを反映し、書店を覗けば中国関連の書籍、特に世界貿易機関(WTO)加盟後はビジネス書の新刊が「汗牛充棟」といった感じで並んでいます。

このほか、既刊書や古典なども含めれば、その数は膨大なもの。また、ジャンルも多岐にわたっており、限られた紙幅でそのすべてを紹介することはできないので、本項では「広い中国」を「広く知ることができる」数冊をピックアップしてみたいと思います。

<外国人の目から見た中国>
「大地」(パール・バック 岩波書店)は、封建主義下における中国旧社会の内奥を初めて西洋に知らしめた作品として、今も読み継がれている名著です。貧農から大地主へと駆け上がった主人公・王龍と彼の家族が、変動する中国社会の荒波に翻弄されながら生きていくさまを描いた同作品には、一時期を中国で暮らし、人民に深い慈愛と関心を注いだ筆者の想いが横溢しています。

「中国の赤い星」(エドガー・スノー 筑摩書房)は、毛沢東から「最高の友人」と評された筆者が、米国人記者として革命期の共産党紅軍に同行、臨場感溢れる筆致で民衆運動の昂揚を追ったルポルタージュ。いまなお、中国近現代史研究のバイブルと位置づけられています。

<現代中国の政治経済文化を知る>
「中国全省を読む地図」(莫邦富 新潮文庫)は、現代中国の各分野における概況がコンパクトにまとめられており、格好の「中国入門書」といえるでしょう。巻末データも必見。

「中華人民共和国史」(天児慧 岩波新書)は、新中国成立から開放改革までの歴史を時代順に解説しています。日本人には理解が難しい文化大革命の背景と経緯も、簡潔にして克明。同書以外にも、岩波新書は中国もののラインナップが充実しています。

「中国本」は、神田神保町の「東方書店」「内山書店」などの専門店が品揃えも豊富で、中国語媒体の書籍を入手することもできます。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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