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第13回:
次のチャレンジ
▲オランダといえば、やっはりチーズ。
ゴーダのチーズ・マーケットに行ってきました。
観光地となっているのですが、チーズの作り方や当時の様子などが分かるようになっていて、なかなか良いですよ。
▲子どもたちがチーズのできる様子をしげしげと見ています。
ヨーロッパはチーズやらヨーグルトやらの乳製品が美味しいんです。国や地方ごとにチーズもいろいろです。
  2001年の8月にシカゴわたり、ロンドン、アイントホーヘンと3カ国にわたる今回の海外生活も実は終わりを迎えました。日本に帰国となったのです。8年ぶりの日本です。

海外で過ごしていたこの期間、いろいろなことがありました。1985年以来、リーグ優勝から遠ざかっていた阪神タイガースが2度も優勝しました。これを見逃したのはとても残念でした。韓国との共催のワールドカップも見逃しました。新庄が引退したり、広末涼子が結婚したり、離婚したり、中村獅童と竹内結子が結婚したり、離婚したり、総理大臣がいきなり辞任したり、見逃したくないものから、見逃しても良いものまで多くのものがありました。

 海外にいたからこそ見られたもの、身についたものもありました。ウィンブルドンやローランギャロス(ともにテニス)に気軽に行けたことは最高でした。アメリカでは多くの脂肪がおなかにつきました。日本を出たときと比べると、英語にもなれました。アメリカでの最初の授業はほんとにぜんぜんついていけませんでしたが、なんとか英語で授業をするようにもなりました。英語が上達したのではなくて、不自由な英語に慣れただけという気もします。3つの都市でそれぞれとても大切な人と出会い、ネットワークができました。ロンドン日記の第34回にも書いたように、やっぱり人と人のつながりが一番という思いは今も変わりません。

 今では、岩倉使節団のときのように日本が全ての面で遅れており、欧米が全ての面で進んでいるということはもはやありません。進んでいるところもあれば、遅れているところもあります。岩倉使節団までさかのぼらなくとも、ほんの20〜30年前までは、海外に行くと何があるのかは事前には良く分からなかったわけです。しかも、いろいろな面で日本は遅れていたので、とりあえず、海外に行ってみて、何でも吸収してやろうというような留学も多かった。

ところが、今では、事前にいろいろな情報が得られます。インターネットを使えば、かなりのことが分かります。グーグルのストリートビューなら、部屋に引きこもっていながらロンドンの街を歩けたりするわけです。留学しないと得られないものはあると思いますが、その範囲は確実に狭くなってきています。その反面、具体的に目標があるのであれば、それを達成する手段は格段に見つけやすくなりました。

留学には、リスクやコストも伴います。美味しい天ぷらも食べられませんし、阪神タイガースも見られません。わけの分からない、イヤな思いをさせられることもあるかもしれません。それでも、具体的に学びたいことがあり、それが海外にあるのであれば、ぜひチャレンジして欲しいと思います。

EUでは壮大な実験がされています。国や組織にしばられず、自分のやりたいことがやれるところ、住みたいところをどんどん自分で選べるようになってきています。海外に行けば、「何か」ある、「自分が見つかる」というのは多くの場合幻想だと思いますが、具体的な目標があればどんどんチャレンジして欲しいと思います。それに、チャレンジはそれ自体、楽しいですよ。

僕も場所を日本に変えて、次のチャレンジに向かいます。


(完)
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