HOME About Me Diary Contact Me Chicago Days London Days
第3回:
シンタクラースがやってくる
▲ドイツのライン川沿いの古城に行ってきました。
こんなお城にも泊まれます。
ちょっとなにかでそうな感じですが、中はなかなかGoodです。
▲真っ黒に顔を塗ったピートたちです。
女の子が“良い子”かどうか詰問されています。
悪い子はスペインに連れて行かれてしまいます。
良い子にはお菓子をくれますが。
お菓子よりスペイン旅行のほうがうれしいです。
 クリスマス・イブまでは友達とパーティをし、クリスマスは家族とゆっくりとすごす。翌日からは怒涛のクリスマスセールが始まるというのがロンドンのクリスマスでした。アメリカでは11月末のサンクス・ギビングのあとのセールが有名ですが、ロンドンではなんといってもクリスマスセールです。

そんなクリスマスシーズンですが、オランダではもう終わってしまったのです。オランダにはサンタクロースは来ないのです。厳密に言うと、サンタクロースではなくて、シンタクラースが来るのです。しかも、このシンタクラースは、サンタのばったものではないのです。オランダ人に言わせれば、シンタクラースこそオリジナルなのです。

シンタクラースは12月6日にやってきます。彼の命日です。彼がサンタクロースの起源になった聖人らしいのです。彼はトナカイには乗っておらず、船でスペインからきます。トナカイで空を飛んでくるよりもずっと現実的です。サンタクロースがプレゼントをくれるのも、シンタクラースの伝説にあるらしいのです。シンタクラースが、貧乏で困り、娘を売るしかないと考えていた人を見かねて、彼にそっと金貨をあげ、娘を救ったという言い伝えがあるのです。シンタクラースはかなりリッチな人で、貧しい人にかなり施しをしていたらしいのです。これがもとで、サンタクロースはプレゼントをくれるようになったらしいのです。

さらに、シンタクラースはナマハゲ的な役割も担っています。「悪い子はスペインに連れて行くぞ!」なんてシンタクラースは言うのです。もう、まるで秋田のナマハゲです。ナマハゲが「悪い子」をその後どうするのかしりませんが、シンタクラースはスペインに連れて行ってくれるんですよ。なんて贅沢な。スペインといったら、いまやヨーロッパの人気リゾートの一つです。みんなドラックでもやって、「悪い子」になって、スペインに連れて行ってほしいぐらいです。あまりに「悪い子」が多くなって、みんなスペインに行っちゃうとこまるので、オランダではドラックも売春も合法になっているのかもしれません(ドラックといっても覚醒剤などハードなのはもちろんダメですが)。飲酒も喫煙の年齢も引き下げられているのもこれが原因かもしれません。

 サンタのお供はトナカイですが、シンタクラースのお供はピートです。街のディスプレイを見ても、どうもシンタクラースよりもお供のピートの方が人気が高そうです。このピートがなんとも人種差別的なのです。絶対に黒人なのです。しかもわざわざ顔を黒く塗りたくるのです。ただ、人種差別的な意味はなく、単純にそういうキャラクターというだけらしいのですが。これをアメリカでやったら大変なことになるでしょう。

 このシンタクラースですが、いまではすっかりサンタクロースにとって代われてしまいました。シンタクラースへの信仰が残っているのは、ヨーロッパでも限られた地域にのみです。ただ、まだまだヨーロッパにはそれぞれの地域のクリスマスの祝い方があるようです。クリスマーケットも地域によって少しずつ様相が違います。


株式会社アイ・イーシー東京都千代田区飯田橋4-4-15All Rights Reserved by IEC