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創考喜楽

「やってみよう!」精神で自己実現

KNOW-HOW

第5回では、幸福感が高い人の特徴である「幸せの四つの因子」、

1.「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
2.「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
3.「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)
4.「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)

を紹介しました。

 

今回は、「自己実現と成長」の「やってみよう!」因子です。この因子を高めるためには何をすればよいか、どのようにすれば実践できるのかについて、理解を深めていきましょう。

 

 

 

 

 

「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)を高め、幸福感を向上させるために必要なこと

 

考えるより行動を起こす

 

自己実現と成長によって幸せになるために大切なことは、幸せになりたいと思ったら、何かアクションを起こすということです。
 

「幸せは人それぞれだから」、「幸せになりたいと思ってなれるものではない」というように考えてしまうと、幸福感が遠のきます。幸せというのは心で感じるものですから、自己実現について頭であれこれ考える前に、まず行動を起こしてみるということはとても重要なことです。

 

これまでの連載で考えてきたことも、すべて「行動」です。考えることも行動ですが、自己実現や成長においては、実際に身体を動かすことが行動です。
とにかく始めてみて、好きなことが見つかれば、人から「達人を目指せ」と言われなくても、どんどんのめり込んで、それをいろいろな人と共有してつながりたくなるはずです。

 

 

「人の心に響くもの」で自己実現と成長を目指す

 

これからの自己実現と成長の一つの型に「創造」があります。何かを生み出し、創り出すということです。

 

創造を目指すものは、ビジネスや町、社会といった大きなものでも、音楽、絵画、料理といった身近なものでも構いません。そして、それが会社の売上げにつながるとか、経済発展に貢献するとか、有名になれるといった価値観を目標にせず、とにかく自分が創造したいものを見つけ、取り組んでみることが大切です。

 

なぜ創ることに意味があるのかというと、私の研究で、絵画や陶芸など、美しいものを鑑賞している人よりも、そうした美しいものを自分の手で創っている人のほうが幸福度が高い傾向が見られたからです。さらに、私自身の経験では、創ってから鑑賞するといっそう幸福感が高まりました。美しいものというのは、人の心を打ちます。人の心というのがポイントで、美しいものに限らず、社会やビジネスの構築といった大きな枠組のものでも、「人の心に響くもの」を追求すると、幸福感が高まります。

 

自己実現に向けて起こすアクションも、人々や自分の心を満たすことを目指していくと、いままでとは違った幸せを実感できるはずです。

 

 

 

「オタク」的目標を見つける

 

 

一人ひとりが個性の発揮や自己実現を果たしていくと、価値観はますます多様化していきます。それをつなぐのがインターネットによる情報ネットワークです。家庭や職場、地域、国といったくくりを越えて、世界規模でつながることによって、多様な価値観が孤立せずに結びつき、さらに別の価値を生み出す可能性が高まっています。言い換えると、いわゆる「オタクやマニア」と言われている「自分らしさ」を極めた、多様な希少価値の人が社会とつながりながら、生きていかれるということです。

 

私は、世界の70 億人が総オタク化を目指す社会になればいいと思っています。すべての人がそれぞれに独特のオタク的目標を見つけることができれば、全員が自己実現できます。

 

オタクという言葉に違和感があれば、「天才」や「達人」でもいいでしょう。アインシュタインの言葉に「誰もが天才だ。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、魚は一生、自分はだめだと信じて生きることになるだろう」というのがあります。魚は魚らしく、自分の天賦の才を見つけ出すべきなのです。つまり、私たち人間も、自分自身や望むフィールドで、自分らしく、自分なりの目標を目指していくことが重要なのです。

 

 

松尾芭蕉のような生き方をめざすのもアリ

 

成熟社会になった、幸福の価値観が変わった、だから何か自分のやりたいことを見つけて、自分らしくなりなさいと、こう言われても、地位や名誉の獲得、所得拡大と勝ち負けの世界で生きてきた人や、勝ち負けの価値観を年長者から押し付けられている若い世代では、いくら小さな自己実現でいいといっても、やはり「はりきって頑張れ」と言っているのだと、うんざりする人もいるかもしれません。

 

平凡で静かで、変化がなく、平穏であればといいという人もいると思います。「自分はそうしたい」と思うならば、それはとてもいいことです。
江戸時代の俳人、松尾芭蕉は、静かで平穏な天才・達人でした。質素な生活をし、自然や人の面白さ、おかしさを俳句や紀行を通して表現し続けました。松尾芭蕉は小さな美しさや面白さを見つけて楽しむ達人です。つまり、自己実現と成長は、彼のように小さな美しさを愛でる繊細な力の成長と、ある境地への到達であってもいいのです。

 

 

まとめ

「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)を向上させるには、

 

  1. 考えるより行動すること
  2. 人の心に響くものを作ろうとすること
  3. 「オタク」的に生きること

 

が大切です。

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