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創考喜楽

「あなたらしく!」生きるために……

KNOW-HOW

第5回では、幸福感が高い人の特徴である「幸せの四つの因子」、

1.「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
2.「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
3.「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)
4.「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)

を紹介しました。

 

今回は、「独立とマイペース」の「あなたらしく!」因子です。この因子を高めるためには何をすればよいか、どのようにすれば実践できるのかについて、理解を深めていきましょう。

 

 

 

 

 

「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)を高め、幸福感を向上させるために必要なこと

 

協調性とマイペースを両立させること

 

自分らしさを保ち、個性を発揮することは大切なことですが、現実問題、日本は調和を重んじる成熟社会ですから、協調性が大事な場面がたくさんあります。では、どうすべきかというと、協調性とマイペースと両方できるようになって、うまく使い分けていけばいいのです。

 

日本人は、他人と自分をよく比較し、人と同じように行動することを美徳としてきました。日本の学校教育も、小学校で最初に教わるのは、「みんな仲良く」や「協力しよう」といった協調性に重きが置かれてきた傾向があります。ですから、多くの日本人は、マイペースに行動するよりも、協調性を発揮することのほうが得意な人が多いと考えられます。

では、協調性のある人、もしくは協調性を発揮しすぎてしまう人がマイペースに個性を発揮していく方法を考えてみましょう。

 

 

 

  • 実践するために

 

 

そもそも協調性のある人とは、人の目を意識することができる人です。よく言えば、自分自身を客観的に観察できる「メタ認知」の能力が高い人だと言えます。が、悪く言うと、人の目が気になりすぎてしまっているとも言えます。
人の目を気にし過ぎてしまうことのマイナス面は、「人の目が気になって何もできない自分」がいて、他人からも「何もできない人だ」と思われていることが辛く、そう考えるとさらに何もできなくなり、「自分なダメな人間だ」と自信を失ってしまうことです。人の目を気にしてばかりいると、こうした悪循環に陥ってしまいかねません。
しかし、人の目が気になるという性質を「自分らしさ」として軸にすると、自分のことも人のことも考えられる、メタ認知が得意な性質として活かしていくことができます。人の目を気にするということは、周りの人に対して、自分はどう振る舞っているのかが常に把握できているわけですから、いまはマイペースに振る舞っていいのか、協調性を発揮すべきなのかを判断しながら行動することができます。協調性とマイペースが両方できるようになるわけです。

 

また、人の目が気になる人は、自分がどのように見えているのかを客観的にとらえられるのですから、どんな自分になりたいのか、手の届く目標を掲げ、それに向かってチャレンジしていけば、自分を変えていくことだってできます。
大事なことは、ありのままの自分を知り、そのうえで理想的な自分像を描くことです。ビジョンを描き、そうなれるよう行動を起こしていけば、だんだんそれらしく近づいていきます。そうすることで、同じように、幸せの因子である楽観的な自分や、マイペースな自分もつくれるようになるのです。

 

 

 

ふつうの人ではなく「変人」を目指すこと

 

 

あなたは「変人」だと言われたらうれしいですか? それとも嫌ですか? 世の中で活躍している人はだいたい変人だと言われると「うれしい」と答えます。独立していて、人の目を気にせず、マイペースであることの極限が「変人」で、この幸せの因子を満たすと楽しいことを、肌で知っている人です。
「私は常識人でありたい」、「変わり者ではなく、ふつうでいたい」という人は、それも悪くありません。ただ、もしそれが「人の目が気になる」、「目立ちたくない」という消極的な理由であったり、マイペースに生きている人たちをうらやむ気持ちがあるとしたら、「変人」になるのもいいのではないでしょうか? 自分の気持ちに素直になってやりたいことをやって楽しく生きる、その極限が「変人」なのです。

 

 

 

  • 実践するために

 

 

私が所属する慶應SDM の修士課程必修科目「デザインプロジェクト」で教えている坂倉杏介さんの「引き算」というワークショップがあります。これは、日頃自分が使っているもので、ないと困るものを一週間か二週間、使わずに過ごしてみようというものです。
坂倉さんは、靴を履かずに一週間過ごしました。すると、裸足で電車に乗っても、意外と他人は自分の足下を見ておらず、さほど驚かれなかったそうです。一番気にしているのは、実は自分自身だったりするのです。
私も、財布と時計のない生活を送ってみました。いつもと違う生活をすることで、普段は気に留めていないことや、気づいていない自分や町の特徴に気づこうというのが目的なのですが、周りを気にしない自分をつくるためのエクササイズとしても有効だということがわかりました。
いきなり「変人」を目指すのはハードルが高すぎるという人でも、自分を含め、周りの誰もが当たり前にやっている習慣や行動を少しだけ変えてみるのは、小さな一歩としておすすめです。こうした積み重ねで、人とは違う自分、人の目を気にしない自分をつくっていくことができるはずです。

 

 

 

まとめ

 

「あなたらしく!」因子を向上させるには、

 

  1. ありのままの自分を知り、そのうえで理想的な自分像を描くこと
  2. 周りの誰もが当たり前にやっている習慣や行動を少しだけ変えてみること

 

が大切です。

次回は、「やってみよう!」因子を高めるための方法を紹介します。

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