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「幸せ」に影響を与えること

KNOW-HOW

「幸せ」を感じるのは、医学的には人間の脳です。脳が幸せと感じるための基本的なメカニズムが明らかになり、皆がその仕組みを理解し、行動や考え方、生き方に活用することができるようになれば、争い、妬み、憎しみ、悲しみのない世界も夢ではなくなります。

 

そういったメカニズムの研究のなかで、幸福感を抱く様々な要因が明らかになってきました。より幸福感を感じられるのは、どのような人なのでしょうか。

 

①「幸せ」に影響を与える要因

 

あなたは、どのような人が幸せだと思いますか? 「健康な人」、「暖かい家庭のある人」、「お金をたくさん持っている人」など、いくつも思い浮かぶのではないでしょうか。

 

確かに、「幸せ」に影響をおよぼす要因は、数多くあります。年齢、性別、健康、信仰心、結婚、つながりの多様性、目標が明確であること、ボランティア活動をしていること、社交的であること、目標を達成していること、などです。

 

さまざまな幸福研究で「幸せ」に影響すると言われている要因は、現在のところ48 項目あり、内容は、日々更新されています。この中で、いま、最も「幸せ」との関わりが強いと言われているのは、「健康」、「信仰」、「結婚」の3 項目です。

 

 

健康

 

健康は、幸福に強く影響します。ところが、もっと強く幸福に影響するのは、健康体であるという事実よりも、「自分は健康だと思っていること」です。たとえば、健康診断の結果、中性脂肪が基準値を超えていたとします。「これは大変だ!」と心配する人より、「これくらいなら大丈夫だろう」と思える人のほうが幸福だということです。「幸せな人は、健康であるだけでなく、長生きである」という研究結果もありますから、健康で長生きするためにも、幸福であることは大切なことです。

 

 

信仰

 

アメリカでは、宗教を信じている人のほうが幸福だと言われています。八百万の神がいると考える日本の神道とは違い、西洋の一信教は、信者なのか、そうでないのかが明確です。西洋のそのような宗教を信じている人は、幸福な傾向があると言われていますが、日本では、信仰と幸福感の相関は大きくありません。

 

 

結婚

 

私たち研究チームが行った日本人1,500 人の調査では、未婚の人、離婚した人、結婚後死別した人とでは、離婚した人の幸福度が最も低く、結婚後死別した人は、婚姻中の人と同じくらいの幸福度でした。また、海外の調査では、夫婦の幸福度は、子供が誕生すると下がるという結果が出ています。子供が独立して家を出るまで、夫婦の幸福度は下がり続けるという傾向があり、これは、子育てや教育費の負担が重いからだということが考えられます。

 

 

②システム的な思考

 

現代は、閉塞の時代だと言われています。景気は少し良くなったかと思うとすぐに悪くなり、どれだけ働いても給料やポジションが上がらないという人が増えています。

 

何よりも、社会全体が将来に不安を抱えていて、幸福も格差が拡大しているというより、「一億総不幸化」が進展しているように見えます。

 

人生、仕事いずれにおいても発想の転換が必要になっている中で、ひとつの打開策となるのが、システム的にものごとを捉える「システム論」です。たとえば、仕事で、大きなビジョンを描き、それを実現するためには、「理念」、「戦略」、「戦術」と全体像を把握し、理解することが重要です。このように問題の全体像を把握し、解決方法を理解する思考こそが、システム的な思考です。

 

システム的なものの見方が得意な人は、幸福感も高い傾向にあります。

 

下の図を見てください。

 

 

 
上の図のイメージを覚えて、下の①、②の図を見てください。
 
 

 

どちらが上の図に似ていると感じましたか? 直感で答えてみてください。

 

これは心理学者のバッソによる研究の一つで、①と答えた人は、広い視野を持つ人、②と答えた人は、細部に焦点を当てがちな人だと言えます。

 

バッソは、同時に幸福度についても調査したところ、①の広い視野を持つ人は楽観的で幸福度が高いという結果も得ています。①と答えた人は、細部の違いよりも、全体的な特徴をとらえるシステム思考が得意な人と言い換えることもできます。つまり、システム的なものの見方ができる人は、楽観的で幸せである可能性が高いということです。

 

それは「幸せ」を目指すことに置き換えてみても、「理念・戦略・戦術」と同様に、「哲学」、「手法」、「技法」といったセットで全体を理解し、行動することで間違った方向を目指しにくくなるということです。

 

なぜ幸せになれないのか、どうしたら幸せになれるのか、問題の全体構造を把握して、それを解決する方法を理解することが大切です。

 

 

 

まとめ

 

    • 幸福感に影響を及ぼす要因は数多くあります。特に、健康、信仰、結婚は、幸福感と最も強い関わりがあります。

  1.  
    • 幸福になるためには、問題の全体像を把握し、解決方法を理解するシステム論が必要です。

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