所変われば品変わる

ところかわればしなかわる・・・・・
それぞれの地方、それぞれの国には独特の物産があり、物の価値も異なります。さらに、異なる風俗習慣や文化がありますから、そこを訪れる人はそのつもりで行動した方がよいでしょう。

 同様な諺が英語でもあります。Many countries,many Customs.
古文においては、「難波の芦は、伊勢の浜荻」というのが有名です。
世阿弥は能で「この芦を伊勢の人は浜荻といい難波の人は芦という」と「芦刈」の中で歌っています。これは「普通一般に芦という草の名は、難波ではたしかに芦と呼んでいるのに、ここ伊勢では浜荻という異なる呼名をつけている」といっているのです。
中国では、「遼東の琢」というのがあり、同じようなことを角度を変えて比喩しています。
昔、遼河の東、現在の遼寧省の南部の地に百姓がいて、飼っている豚に頭の白いのが生まれ、大へん珍しいので献上しようと思い、都へと旅にでました。ところが河東という地方までくると、そこの豚の頭の毛はみな白く、自分の豚は珍しくないのに気づいたというのです。
つまり、自分の住んでいるところを中心にして、他の地域の物産のことを想像しても意味がない、ということです。

日本は長い列島であるために、地方によって「味つけ」がちがいます。だしについて関東では塩からい醤油味が好まれますが、関西では薄口のコンプ味というのが普通でしょう。味噌を一つ取っても、白いものから、濃い茶色のまでいろいろあり、味も大変ちがいます。
それぞれの地方で「おらが味噌が日本中で一番おいしい」と自負しているところから、自分の出身地のことが一番よいとして説を「手前味噌」というようです。

これらの地方格言は、たべものや物産だけでなく、気質や風俗習慣も同様です。旅を通してその違いを調べるのは楽しいことですが、外国へ旅をするときには、事前に現地習慣を調べておきたいものです。
特にボディ・ランゲージに注意しないと、とんでもない失礼をしてしまいます。
アメリカ、ヨーロッパでは、「イエス」というときは、頭を縦にふります。これは日本でも同じですが、ブルガリヤでは頭を縦にふれば「ノー」を意味し、横にふれば「イエス」の動作です。中東のイスラムの国でも、「ナーイ」とい
って頭を横に振ると「イエス」の意味になる地方が多くみられます。
「イエス・ノー」の動作ですらこれだけ違います。
親指と、人差し指で丸い形をつくりますと、日本では「お金」ということを意味しますが、これは性交という意味になる国があります。
日本ではなんでもない普通のしぐさが卑猥な行動に直結していたりするので注意しましょう。


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