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結婚を |
真剣に考えている貴方に贈る |
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雨村 幸親 |
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いい出会いを見つけることが苦痛になるのは結局「そもそもいい出会いがどういうものか」が分からないことが大きな原因です。
あなたの中に「これはいい出会い」だという基準がなければ、結局いい出会いとは「今まで交際した人のよいところを全て併せ持っている人」ということになり、この地球上にすんでいるほとんどの人はそれに当てはまらないということになってしまいます。
それに万が一その全ての条件を満たしている人がいたとしても、それがあなたの理想の結婚相手であるかどうかはまた別の話です。
恋愛相手と結婚相手の大きな違いとなるのは「結婚相手にはさまざまなロール(役割)」が求められるという事です。もちろん、あなたの恋人という役割もありますし、家計を支える役割としてはある程度の安定性も必要です。もし子供ができれば父親という役割も重要になりますし、さらにずっと生活をともにする同居人としての役割もあなたの生活に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
ある意味恋人というのはかなり気楽な相手です。相手がどのように暮らしていようがあなたの生活には深く関係していない”他人”なので、その人の性質の一面だけを見ていても何の問題もありません。たとえば相手が気前がよくて浪費癖が合ったとしても、恋人であれば一緒に楽しむことができてむしろ楽しいかもしれませんが、家計を同じにしている結婚相手であればあまり喜んでばかりもいられないわけです。
そして困ったことに何かの役割に大切な気質は、他の役割に悪影響を及ぼすこともあります。たとえばあなたの望んでいる「よい結婚相手」の条件をこんな風に考えたとしましょう。
かっこよくて、優しくて、自分をリードしてくれて、経済的に安定していて、常に新しい驚きを提供してくれて....
ちょっと待ってください。残念ながらそんな理想的な人はこの世界に(たぶん)存在しません。
たとえば上の「優しい」と「リードしてくれる」というのはたいていの場合両立できません。なぜなら優しい人は相手の気持ちを組んでくれるからこそ”優しい”わけで、リードしてくれるというのは言い方を変えれば「自分の意見に相手を引き込む」という割と自己主張が強いタイプの人です。また「新しい驚きを提供する」というのは言い方を変えれば常に変化し続けているわけで、そういう人に「安定」を求めるのは少し酷な話かもしれません。恋人には驚きや刺激が必要だけど、結婚相手には安定と信頼が必要...そんな矛盾した条件を同時に満たす人を探そうというのはまさに「幻の珍獣を探す」ようなものです。
■”ここだけは譲れない”というポイントはなに?
こうして考えると、結局全ての意味で完璧な相手を見つけるのは難しい事です。
だからあなたが「いい出会い」がないと思うのも至極当然の事でしょう。なぜならそのような「いい出会い」は実際には存在していないわけなのですから。
では「適当に妥協すればいい」というのが答え?
いえいえ、そういうワケはありません。大事なのは妥協ではなくあなたが気になる重要な「いくつかのポイント」を押さえることで、100点とまではいかなくても80点の相手を見つけることは十分に可能なのです。
正直に言えばそのポイントがどこかというのは人それぞれです。
ここで編集者の方に「具体的にお前の例を挙げて説明してみろ」と言われたので、恥ずかしながら私が結婚相手を選ぶ時に重視したポイントを例として説明してみましょう。
私が重視したのは・・・・・・
1)おおざっぱな性格であること
2)笑いのツボが同じであること
の2つでした。正直この1番の条件は今でも一週間に一度くらいは「本当にそれでよかったのかな」と疑問を感じることはあります。(笑)
しかし、私は割と神経が細かくいろいろ微妙な言葉の言い回しなどが気になって「こう言っているけれど、実はこう思っているのではないか」などと相手の心理を深読みしすぎて疲れてしまうことがよくあります。
そういう点ではおおざっぱ(開けっぴろげ)な相手は非常に楽チンです。
何せ相手が思っていることは(良いことも悪いことも)全て大公開しているので、ヘンな深読みはしなくてもすみます。また、あまり気を遣ってしゃべらないので小さなケンカは良くありますが、それが深刻な問題に発展することもないように思います。
さらに、このポイントは子供が生まれ親という役割になってからはよりいっそうメリットを生み始めました。これはそれほど予測していなかったのですが、実際には子供を持つことを前提に考えるとパートナーが「恋人という役割」を果たしている期間よりも、「親という役割」を果たしている期間の方がずっと長いわけです。ですから恋人という役割の期間ではデメリットだった性格も、親という役割ではとてもプラスに働くことがあります。
おおざっぱな彼女の性格は、ともすれば過干渉に成りがちな私の行動をうまく押さえ、ちゃんとバランスを取ってくれます。はなはだ我田引水ですが、そういう意味では私の選んだポイントはそれほど間違っていなかったのかなとも思うことがあります。
また2番目の「笑いのツボが同じ」であることは私にとってはとても大切な事です。
悲しいポイントが同じでもそれほどうれしいことはありませんが、”面白い”と思えるポイントがずれていると、自分だけがおもしろがって喜びを共有できないという寂しさが生じることになります。はっきり言って趣味や嗜好はかなり違いますが「同じところで同じように笑える」というささやかな喜びは、積み重なって一つのチームとしての一体感を作って行くには重要なポイントかもしれません。
なんだか自分の事ばかり書いてしまいましたが、結局あなたは一番あなたのことを理解しているのですから、あなたにとって最も重要なポイントというのを一番理解しているはずです。
人によってはそれが経済的安定や社会的地位といった見えやすいものかもしれませんし、趣味嗜好やライフスタイルという生活サイクルの問題かもしれません。また私のように考え方や性格、感じ方を重要視する人もいるでしょう。
どれがよくてどれが悪いというワケではなく、これはまさに個人差という問題です。しかし大切なのはあなたにとって「いい出会い」というのが具体的にはどういうものなのかを知ることです。
あなたにとってどういうものが「いい出会い」かが分かれば、少なくても「今までよりも良い人」という風に曖昧な基準に振り回されずにすむようになります。
そうやってゴールが見えていれば、新たな出会いを見つけるのが楽しくなっていくでしょう。あなたにとって「いい出会い」を見つけるのは無為な作業でも、苦しいことでもありません。
ほんのいくつかの重要な条件を満たす相手をただ探してみればよいだけなのですから。
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