• 実際どうなの?使えるの?広まるの?
    「電子書籍」を試してみた
  • 「電子書籍」と聞いて、「使ってるよ」もしくは「欲し いから検討しているよ」というピンとくる方、「自分には無関係な世界・・・」と思う方、それぞれかと思います。
    今回は、教育とは関係なさそうで実はある「電子書籍」について、電子書籍初心者のわたしが試してみたレポートをお届けします!


■ 何で電子書籍?(ちょっと長めのまえがき)
電子書籍とは、紙ではなく電子機器のディスプレイで読む本や教科書のこと。
と、言われていますが、まだ発展途上中の仕組みなため、たくさんの種類が世の中に出回っています。例えば、電子機器とひとことに言っても、パソコン・携帯 電話・スマートフォン・タブレット端末、と形は多岐にわたりますし、また、電子書籍を管理する方法も統一されていないのです。ビデオでいうベータとVHS みたいなものです。

そんな電子書籍ですが、最近、お客様先でEラーニングのご紹介をしている中で、「社内用のテキストをWebサイトで読めるようにしたい」「スマートフォン などでも読めないか」というような、教育や仕事に活用できないかというお問い合わせを多くいただくようになりました。

忙しい中の隙間時間をいかに活用していくか?また、教育の切り口・機会をいかに増やしていくか?という道具のひとつとして、注目が集まってきているように 思います。

とはいえ、どのようなメリットがあって、どう展開していけばよいか、などはまだ具体的なイメージをお持ちの方も少ないような印象です。なので今回はサービ スのご紹介は少しお休みして、まずは自分が「電子書籍を試してみた」体験をお届けしようと思った次第です。


■ どんなものを準備するの?
では、実際に電子書籍をいちユーザーとして使うところから見ていきたいと思います。

まずは、電子書籍を読もうと思ったら、「電子機器は何を使うの?」「管理する方法はどれを選ぶの?」ということをひとつずつ決めていきます。ここは「面倒 だ」と思う派と、「それが楽しい」と思う派に別れるところですね。

わたしは楽しく検討した結果、初代iPadを活用して、Goodreaderという閲覧アプリをメインで使うことにしました。あとは、Webサイト上で読 める電子書籍なども組み合わせながら、読みたいものに合わせて使い分けをしていきます。

入れ物を用意したら、次は中身に。Webサイト上で売られている電子書籍を購入したり、自分でPDFファイルに加工したファイルを保存したり、書籍の用意 をします。


まだまだ現役、初代iPad。本当は新しいiPadが欲しいのですが、ぐっと我慢。


■ デジタルのメリット
使い始めてから何より「助かるなあ」と思ったことは、荷物が増えないということでした。
iPadはもともと持ち歩いているものなので、端末に書籍データをいくら保存しようと荷物が重くはなることはないですし、紙と違って何百冊でも持ち歩くこ とが可能です。

この使い方で助かるのが、読書用の本ではなく、勉強用のテキストや随時参照したいマニュアルのような参考資料でした。
ふとしたときの「あれってなんだっけ?」と、そう思ったときが、知りたいとき。知りたい気持ちが冷めないうちに、確認できる環境を作っておくのが一番で す。
テキストだけでは納得できなかったところを、ネットにつないで調べることもできますしね。

iPadを持っていくの重いなあ・・・という日は、スマートフォンも使ってみました。
iPad用に準備した電子書籍は正直なところ読みづらい部分もありましたが、もともとスマートフォン用に作られた電子書籍やEラーニングサイトであれば、 まったく支障ありませんでした。
悪い癖なのでしょうが、片時もモバイルツールを手放さない人間にとっては、非常にありがたいことです。電車の中でも、スマートフォンや携帯電話を眺めてい る方が本当に多くなりましたね・・・。



平常時のモバイルグッズたち。この中に何十冊、何百冊も本が入っていると思うと・・・よい時代になりました。


■そうはいっても、アナログにはかなわない点

助かる一方、不便・不安に思う点も、いくつかありました。

一番不便だなと思ったことが、ラインマーカーやメモ書きをする機能がいまいちスムーズに使えなかったことです。
慣れの問題もあるのかな?とは思いましたが、何かを書き込んだり、付箋を貼ったりということをするのであれば、やはりまだ紙にはかないません。

そして不安に思ったことが、「このデータはいつまでとっておけるのだろう」という点でした。
電子書籍のフォーマットはまだ各社ばらばらですし、PDFだっていつかは使われなくなるかもしれません。そういう、自分以外の都合でこの本が読めなくなっ てしまうときがくる、というところはデジタルの寂しいところかなと思うのです。

例えば、新人の頃先輩に勧められて読んだ本をたまに読み返すと初心に戻るよね、とか、必死で書き込みした試験のテキストやノートはどうしても捨てられな い、とか、そういう経験は誰しもあるかと思います。

そういう、「ずっとずっと残しておきたいもの」は、紙が一番だよねと思うのです。



必死で書き込みしたテキストたち。重要な部分にはぐりぐりとラインマーカーで線を引いたり、殴り書きのようなメモ書きがあったり。そうやって必死で手を動かすからこそ、記憶に定着するのですよね。愛着があって、捨てられません。


■ ということで、今のところの結論。
デジタルもアナログも両方いいところがあって、デジタル側はまだまだ過渡期にあるという点を踏まえると、今のところは「いいとこ取り」をするのが一番、と いう結論になりました。

何もいきなり全部取り替えてしまう必要はないですし、無理な話です。とは言っても、便利に使えるものがあるのに何もしないのはもったいない。

ということで、大量に持ち歩きたいもの、こまめに更新が必要なもの、あとで見返すことはあまり無いと思われる旬のもの。これはデジタルに任せる。

大切に残しておきたいもの、書き込んだり付箋を貼ったりしたいもの。これは従来通りアナログで。

これからも試行錯誤しながら、より快適な「電子書籍」生活を送りたいと思います。

「こんな風に使うと便利だよ」「電子書籍についてもっと知りたい!」などなどありましたら、ぜひお聞かせください!

matsuyama@iec.co.jp

Yoko Matsuyama
愛知県出身、趣味はあひると文房具を愛でること。アナログな 趣味を満たすための情報収集の道具、日々をちょっと(だいぶ?)便利にするための道具として、デジタルなツールと付き合っています。
みなさんに「教育支援ツールって便利そう!」「もうちょっと詳しく知りたいかも?」と思っていただけるページを目指します!


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