杉浦 亮さん

愛知県岡崎市役所
総務部職員研修センター(通算5年目)


出身地:愛知県岡崎市

趣味:読書、スキー、スケート、
    子ども向けテレビ番組を子どもと一緒に見ること  

鎌倉時代から東西交通の要衝として栄え、徳川家康公の生誕地としても知られる歴史薫る愛知県岡崎市。近年は、現代的な都市施設を備え、安全で安心な街づくりを進める中核都市として発展しています。
岡崎市役所では、「歴史と文化の薫る風格のあるまち」と「現代的で住みやすいまち」という都市の二面性を活かしつつ、「人、水、緑が輝く活気に満ちた美しい都市 岡崎」の実現を目指して、取り組んでいます。今回はその岡崎市役所の職員の方々への研修事業を担当していらっしゃる杉浦さんにお話をお伺いしました。



職員自ら行動したくなる、気づきを与える研修へ
私が初めて研修を担当したのは平成14年4月。当時は、地方分権一括法が施行され、地方分権が大きく注目されていました。この時期盛んに言われたのが「意識改革」という言葉。大きく変わる環境の中で自治体も職員も変わらなければならないの大合唱です。しかし、目に見えない「意識」なるものに注目したところで結果は見えてこない。変えるべきは目に見える「行動」そのものであるはず。岡崎市は、目指すべき職員像として“自ら考え、自ら学び、自ら責任を持って市民のために行動する職員”を定め、その観点から研修の見直しを行い、これまで、従来の一律指名型の研修から選択希望型へ、新規採用職員の育成・指導を目的としたチューター制度、自己啓発の奨励、県内中核3市合同研修・キャリアデザイン研修の実施、職員が業務後に自主参加する勉強会「宵ゼミ」などを実施してきました。研修を企画する立場として、職員自ら行動したくなる、行動せざるを得ない仕組み・きっかけづくりをし、気づきを与える、そんな研修を実施すべきだと考えてきました。


研修は手段であって目的ではない
改めて、研修を担当する部署の役割は何かを考えると、一言で言えば職場で起きている問題の解決を支援することであり、これまでの研修の見直しにあたっては「積極性に欠けている」「同年代としか群れない」「自分の部署だけに閉じこもりがち」「上司や他部署とのコミュニケーションがうまくいかない」そんな問題意識から始まっています。研修は手段であって目的ではない。今起きている問題の原因はどこにあるのかを見定め、しっかりと現場の声を聞ける研修担当者でありたいと思います。


お互いに学び合う場を提供し続けていくことが重要
研修を企画するにあたって重視しているのが、コミュニケーション能力の強化です。チェスター・バーナードが示した組織の存立条件の1つとして、組織の構成員間でのコミュニケーションを挙げていることを持ち出すまでもなく、職場の問題解決にはコミュニケーションスキルの向上が不可欠です。自ら学ぶことを重視してはいますが、学習は必ずしも1人で行うものではなく、コミュニケーションスキルを基盤として、様々な職員がお互いに学び合うことも必要であり、私たちにはそういった場を提供し続けていくことが求められます。


小さな一歩でも前を向いて着実に踏み出す意思
環境が大きく変わっていくとはいえ、組織を劇的に変えようとすると少なからず反発が生まれ、長期的に維持していくことは不可能です。マハトマ・ガンジーの言葉にある「善きことは、カタツムリの速度で動く」のとおり、たとえ小さな一歩であっても、前を向いて着実に一歩を踏み出していきたいと思います。



どうもありがとうございました!

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