今、私たちの周りにある製品やサービスはすべてかつての夢が形になったものです。
たとえば、パソコン・携帯電話・TV・エアコン・車・飛行機・・・。
10年前・・・・100年前・・・・200年前には人類の夢とされたものです。
もし、エジソンが、ライト兄弟が、そして無数の挑戦者たちが
『そんなことできるわけないじゃないか!』
『そんな夢のようなことを考えていないで、もっとやるべきことがあるだろ!』
という声に、夢や可能性に挑戦することをあきらめてしまったら、このような豊かな時代に私たちは生きていないことでしょう。
私たちが考え、行動することはやがて花開き、実現します。
100%思い通りに実現することは少ないかも知れないけれど、
イメージし、言葉にし、行動した方向に少しづつ近づいていきます。
小さな可能性を信じ、行動し始めた時に初めて、人は大きな可能性の扉を開くことができます。
逆に、小さな疑いから行動を躊躇した時に、可能性は制限されていってしまうのです。
ところが最近、『将来の希望や夢が持てない』と10代、20代の若者から相談を受けることがよくあります。
元来、10代、20代の若者といえば、年上の者から見れば無謀と思えるくらいの夢や野望を持っているものでした。
しかしここへきて、そうではない若者が増えているようなのです。
なぜでしょうか。
私は原因の一つに、「ドリーム・キラー(夢を殺す人)」の存在があると思っています。
具体的には、親、上司、先輩、友人、教師など、若者に影響を与える人たちのことです。
当然、彼、彼女らがすべてドリーム・キラーであるわけではありません。
しかし、ちょっとしたネガティブなメッセージが、時には若者に大きな傷を与えることにもなります。
しかも、本人たちはネガティブなことを言っているとは思っていません。
若者に影響を与える立場にいる人たちは、下手に今までの経験がある分、どうしても自分の尺度や経験則にとらわれてしまい、自分にとって難しいことは人にとっても難しいと思ってしまう傾向にあるのです。
それを、自分ではそこまでネガティブなことだとは思わずに、ポロっと若者にこぼします。
その積み重ねが、ついには夢を殺すことへとつながっていくのです。
そのため、たとえ若者が夢や希望が思い浮かんでもだとしても、
『そんなことは無理!』と、内なる「ドリーム・キラー(夢を殺す人)」の声が聞こえてきて、その夢や希望をあきらめてしまいます。
そんなことを繰り返しているうちに自信をどんどん失っていき、
ついには、その若者自身が周りの人の可能性を奪う「ドリーム・キラー」となってしまうのです。
いわば、「ドリーム・キラー」の悪循環といえます。
人は生まれてから成人するまでの間に、実に148,000回もの否定的、消極的、破壊的なメッセージをシャワーのように浴びているといいます。
これは、1日平均すると、20回ほどになります。
そのようなメッセージを浴び続ければ、『自信がない』『どうせ無理』『夢なんて描くものではない』と思う若者が増えてくるのは、仕方ないことなのではないでしょうか。
ですので、もし自分が『ドリーム・キラー』となりかかっていることに気付いたら、その悪循環を断ち切るべきです。
つまり、世界が、日本が、そして私たち一人一人がまず最初に取り組むことは、
内なる「ドリーム・キラー」を「ドリーム・メーカー」に変革していくことではないでしょうか。
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