昨年10月、シンガポールに子会社を設立した。シンガポールの経済庁(EDB)と会う機会があり、話を聞いたことがきっかけだ。研究開発型の企業に対する支援プログラムが用意されており、我々もその対象となった。
彼らは我々と同じ目線で対してくれる。一緒にビジネスをしているのだ。小さな会社でもサポートするのは、そのビジネスが、国の競争力アップと成長に繋がる可能性があると考えられているからだ。資源もないし、とても狭い国が繁栄している。彼らは優秀なビジネスマンであり、国の競争力や成長というものを戦略的に考え進めているのである。政府というより、とても優秀な企業と捉えた方がわかりやすいかも知れない。
昨年8月、娘が産まれた。どのような教育を受ければ良いかを考えるようになった。日本の教育環境は良いのだろうか。心配だ。日本で育つことも少し心配になってくる。恐ろしい報道が多く気にし過ぎか。
子供の教育を考えないとねと、EDBの方に雑談の中で話しをした。すると強烈な言葉が出た。
「世界中にある日本人学校で、シンガポールの学校がベストだと思っている。」
まあ、教育というものに情熱的なようだが、シンガポール在住の方も学校が素晴らしいと言っていた。
「川端さん、家族はシンガポールに住まれたらどうです。」
真面目に考えようかなと思ってしまった。一例としてシンガポールを挙げているが、住む国を選択できるとして、どこに住みますかと問いかけられたら、誰もが躊躇なく日本と答えるのだろうか。
歩いていて、ついついポケットの中にあったレシートを丸めて捨ててしまった。
「道にゴミを捨てるような人はシンガポールには住めません!」
妻に注意された。
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