各界の一言居士のみなさんに、日本を、企業を、そして我々ビジネスマンを“よく”するために、
“最近アタマにきていること”を、リレーで綴っていただくコーナーです。
◇第10回のゲストはフューチャーシステムコンサルティング(株)
代表取締役社長 金丸恭文(かねまる やすふみ)氏

(略歴)
神戸大学 工学部 卒業
1979年 株式会社TKC 入社
1982年 ロジックシステムズインターナショナル株式会社 入社
1985年 株式会社NTT PCコミュニケーションズ取締役 就任
1989年 フューチャーシステムコンサルティング株式会社 設立 代表取締役社長 就任(現職)
1997年 Future Architect, Inc. 代表取締役社長 就任(現職)
1999年 フューチャーフィナンシャルストラテジー株式会社 設立 代表取締役会長就任(現職)
2000年 アイティーエージェント株式会社 取締役 就任(現職)
2000年 カルチュアコンビニエンスクラブ株式会社 取締役 就任(現職)
2002年4月 大和生命保険株式会社 取締役 就任(現職)

横綱はいても横綱相撲を見る機会は激減した。

横綱は、単に勝てばよいだけではなく、日本の国技、伝統の象徴である。勝ち方はもちろんのこと、品格、風格、礼節、いわゆる心技体すべてが求められる。私の時代は、柏鵬にはじまり、千代の富士、若貴ぐらいまでが興奮できた時代だった。正々堂々として、姑息なことは決してせず、小兵横綱にはエネルギーと力がみなぎっていた。

若手には堂々胸を貸し、力の衰えも周りの評価もさることながら、台頭してきた若い力士の手ごたえで自分自身の土俵の去る日を決める。

ビジネスの世界に置きかえると、真に尊敬できる世界に通用する大企業は一握りである。多くの大企業は、勝つためなら手段を選ばず、同じ舞台で正々堂々と新興企業に胸を貸さない。大人と称して、主戦場は夜の談合場所である。

革新を生み出さず、社会にしがみつき、雇用を大儀にしているが実は若い芽が出る可能性を阻害する。新しい芽が息吹かない森林は滅ぶに決まっている。
過去の実績、形式を重んじ、未来や中身を見ようとしない、見ることのできない高度成長期の価値観はもはやまったく通じない。

相撲の世界では、横綱を負かすことを下克上とは言わず恩返しという。日本の国技は、ポジティブなうまい表現を考えたものだ。要するに、若い人たちが一日も速く横綱を目指すしかないのだろう。


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