●かつて今ほど「コミュニケーション能力」が問われる時代はなかった?
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今、若者の間で「コミュ障」という言葉が頻繁に遣われていることをご存じでしょうか。これは「コミュニケーション障害」の略です。この言葉が流行している背景を見ると、彼らはコミュニケーションスキルが大切だと自覚してことがわかります。同じように、採用する企業の側もコミュニケーションの必要性を説いています。日本経済団体連合会が2011年の9月に発表した調査によれば、「選考時に重視する要素」の第1位は8年連続で「コミュニケーション能力」という結果になっているのです。
また、職場の人間関係に悩んでいるのは若い人ばかりではなく、管理職目前の中堅クラス社員や女性にも及んでいるのが実情です。とりわけグループ内の連携が不可欠な事務職の方は、コミュニケーションにまつわるトラブルにもっとも晒されやすい立場と考えることもできます。
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●衝突を回避したいがゆえ に仲良くする? 問題は決定的なトレーニング不足。 |
学校、会社、様々な状況や場所において、いじめの問題がなくなったわけではありませんが、一般的にみると、昨今の多くの日本人は人間関係の軋轢を極端に嫌う傾向があるといってもいいでしょう。上の世代の大半は、多かれ少なかれケンカや衝突の経験を持っているものです。「雨降って地固まる」という諺を身をもって実感した人も多いのではないでしょうか。こじれた関係を修復する中でより深い絆を築いていく、意見が食い違う相手に対してどこまで自分の主張を通せばいいのか、矛を収めるタイミングはいつか――かつてはこうしたコミュニケーションを体験的に学んでいくのが普通でした。
ところが、昨今は仲間や他者に対して不満を抱えつつも周囲に同調することを優先する傾向があるようです。これを端的に現しているのが、「KY(空気が読めない)」という流行語かもしれません。なぜ若者は「KY」を嫌うのかというと、大なり小なりそこに軋轢が生じるからにほかなりません。場の雰囲気が悪くなれば誰かが気分を害するかもしれないし、場合によってはケンカになってしまう。主張ができずにストレスを溜めることよりも、衝突することの方を恐れるのです。
また、上下関係が苦手というのも昨今の若い人の特質といえます。下む手に自己主張すれば上の世代は諭たり怒ったりするかもしれない――衝突が怖いので、最初から関係を最少限に留めた方がいいと逃げ腰になってしまうパターンが少なくないのです。
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●コミュニケーション不足が仕事にも影響します。 |
「コミュニケーション術」とは「仲良くする術」ではありません。相手のことを慮ると同時に、状況によっては自己主張することも必要です。体験的なトレーニングを積んでこなかった世代には、これが大きな重荷になっているのです。「やってこなかったから、できない」ということなのです。
しかし、なによりこれは非常に会社にとっても、本人にとっても大きな不利益といっても過言ではありません。コミュニケーション能力の有無は業務の遂行に直結します。意思疎通がとれるか否かで、仕事の幅やその中身も、楽しさも激変するといってもいいでしょう。
上司や先輩、同僚たちとのコミュニケーションを円滑にはかることができる人は、仕事を覚えるのも早く、貴重な戦力になってくれるに違いありません。
今回新しく開講されます「事務職のためのいい人間関係の上手な作り方」では、内勤の方や事務職に特化したコミュニケーション術と人間関係解決術を、様々なケースに合わせて紹介し実践できる内容となっています。理論を学び、実践できるコースです。職場の空気が滞っている、情報伝達がうまくいっていない、仕事がうまく回転していない、などのお悩みを、かならず解決してくれるはずです。
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あなたのコミュニケーション能力は? |
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□不平や不満を口にしたことがない。
□他人のケンカもできれば見たくない。
□納得できなくても、すぐに謝ってしまう。
□友達が少ない。
□苦手な人は避けて通る。
□10歳以上年の離れた人と日常的につきあったことがほとんどない。
□挨拶をするのが苦手。
□人に嫌われるのが怖い。
□愛想笑いが多い方だ。
□内弁慶で、外に行くと声が小さくなる。
※6つ以上あてはまる人は要注意! |
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