「話せばわかる」では通らないクレーム! これだけは知っておきたい
あなたの職場の悪質クレーム対策、万全ですか?
近年増え続けている悪質でモンスター化しているクレーム。本コースは、そんな悪質クレームに対する正しい予防策と対策のノウハウを学ぶコースです。
そこで、今回のコースを執筆者、悪質クレーム&モンスター対策のスペシャリストである平塚俊樹さんに、これまでクレーム対応をされてきた数ある経験のなかから、昨今の悪質クレームの動向と現状を本ガイドだけに教えていただきました。
CACE-1 クレームを楽しむクレーマー (コールセンター編)
 ここ最近の傾向で非常に多いのが、「金銭が目的ではない」クレーマーです。通常、悪質クレーマーというと「相手のミスをついてお金を取るタイプ」をイメージするかと思いますが、彼らの目的はお金ではありません。クレームを言うことそのものを楽しんでいるのです。
あるコールセンターのお客様相談の請け負い会社の話です。本当に熱心に相談をしてくる男性のお客様がいました。優良な顧客候補だと思って5時間も説得して、最後の最後の契約の時にひと言、「ねえ、つきあって」と言ってきたのです。その案件があったと聞いて他のメンバーにも聞いてデータを集計してところ、実際には結構な頻度で多数のオペレーターが同様の被害に合っていたことがわかりました。「そんな相手の電話は切ってしまえばいいのに…」と安易に思いがちですが、こういったタイプのクレーマーは一見とても良い顧客に見えるため、電話が切れないのです。金銭目的ではないストーカータイプのクレーマーは本当に増えています。
特にコールセンターなどは、ほとんどがこのようなタイプといっても過言ではありません。
CACE-2 間違った正義感を振りかざすクレーマー (官公庁編)
  官公庁などの公共団体の場合、やれ税金だ、国民の義務だとばかりに一般企業以上に悪質なクレームを浴びせてくるというケースが多く見られます。机をたたいて罵倒する、いつまでも受付の職員相手に文句を言い続けるなど、「公共の施設なのになにが悪い!」と何時間でも居座ります。平気で5時間6時間とい続けるという例もザラです。彼らの真意は、自分をこうした場合にも、とにかくこの場を収めたいという思いから、取り急ぎ、職員個人のポケットマネーで支払って帰ってもらうという解決策を取っているところが、実は非常に多いのです。この対応策を誤ってしまうと、見えないところで個人に大きな負担になるだけでなく、下手に相手を刺激すると逆上して犯罪にまで及んでしまうことがあるためとても危険なのです。
CACE-3 セクハラを演出するクレーマー (接客編)
 飲食店や病院などで多いのが、「俺の奥さんのお尻を触っただろ!!」などと、従業員を痴漢扱いするクレーマーです。こういったケースでは、どんなに相手が理不尽で根拠のない言いがかりをつけていたとしても、怒鳴り散らした側が正当化されてしまいます。罵倒すれば勝ちなのです。特に飲食店などの店舗では他のお客さんの手前、とにかく事態を荒立てずに丸く収めたい、悪い評判が立ってしまったら最後という気持ちで、とりあえず相手の要望を鵜呑みにしてお金を払ってしまうというお店が非常に多いのです。しかし、そこからが悪の始まり。一度お金を払ってしまえば、そこを狙って何度でも同じようなクレームが起こりうるのです。
一方でこんなケースもあります。どうしようもなく激しいクレームを入れてくるお客さんがいて、手に負えなくて私が同行したときの話です。あまりに激しいクレームで担当の女性が怖がってしまっていたので、安全を確認して、私が単独で長時間折衝をしていたらクレーマーが突然泣き出しました。なんとその担当の女性と話せないのが悲しかったのです。正直泣かれた私も複雑な心境でした。
 実際Sのクレーマーの目的は金銭とは限らず、本当に多種多様です。短時間でものすごい変化をしており、あの手この手で新たな手法を仕掛けてきます。事例はなかなか表に出にくいものなので、いろいろな講座やセミナーなどで情報収集することも大切です。


平塚俊樹
ひらつか としき
●プロフィール
エビデンサー(証拠調査士)大学卒業後、大手不動産会社と東証二部上場メーカーに勤務。在職中、営業職ながらクレーム処理を担当する中、あまりにも悪質な事件が多発したため、警察の暴力団対策課にて対応トレーニングを積む。弁護士、弁理士、医師、鑑定人など各ジャンルの人脈を広げ、クレームトラブル解決のスペシャリストである。
●メッセージ
 基本的に、「法律があるからクレームは解決できる!」と考えるのは大きな間違いです。日本の法的機関は、私たち個人が全ての法律を知っているという前提で作られた仕組みです。そのため、「知らないから助けてくれる」と考えるのは誤った認識なのです。
 入念な事前準備がないと対応できないのがクレーム対応の特徴です。逆に言えば、事前にしっかりと準備さえしておけば、悪質クレーマーに狙われないのです。クレームには、準備が最大の防止策だと覚えておいてください。
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