◆データウェアハウス

データウェアハウスとは、業務分析や予測に利用することを目的として、例えば販売や仕入れ、製造、受注や出荷等ビジネスにおいて日々発生する情報を生データとして記憶させた、基幹業務システムとは別に構築された意思決定支援システムのことです。

 データウェアハウスの要件としては、読み出し(参照)専用でありデータは一切更新しない、顧客管理や商品管理等エンドユーザーの目的別に作成する、項目やデータ形式に一貫性がある、データの履歴(時系列データ)をもつ、データの作成された時期などデータそのものに関する情報をもつ等があります。

 従来の方法では、週間の地区別売上高のような形で予め集計済みのデータを蓄積・出力していたのに対して、データウェアハウスではデータを加工せずにそのまま時系列で蓄積しておき、必要に応じて条件指定を行い、多角的な集計結果をグラフ形式等で閲覧することができます。また、データの容量規模が大きい場合は、途中にデータマートと言われるデータのストックをはさむ場合もあります。

 そして、データウェアハウスに対して専用のデータマイニングツール(ソフト)を使うことにより、データの絞り込み、絞り込んだデータのクロス集計の切り替え、クロス集計の項目の展開等を誰でも直感的な操作で行うことができます。例えば、商品の販売データに顧客属性や購買履歴データ等をかけあわし、「何がどれだけ売れたか」だけでなく、「誰が何を買ったか」さらには「その人はどのような購買履歴で、どのようなニーズなのか」という顧客に焦点をあてたきめ細かな分析が可能になったのです。これにより、マーケターは仮説、検証のサイクルを劇的にスピードをアップさせ、素早い施策への反映を行うことができます。

 このようにデータウェアハウスはIT時代のマーケティングを支えるコアシステムの一つと言うことができるのです。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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