◆慰謝料・損害賠償はどんなときに請求できる?

 損害賠償とは、権利を侵害された被害者が、加害者に対して被害の回復を求める権利のことをいいます。多くの場合、金銭の支払いで被害の回復がなされますが、とくに精神的苦痛の回復を目的とするものを慰謝料と呼びます。では、どんな場合に損害賠償を請求できるのでしょうか。大きく分けて、「債務不履行」と「不法行為」の2種類があります。

「債務不履行」とは、契約当事者の一方が契約に違反した場合をいい、もう一方がそれによって損害を受けた場合に賠償を求めることができます。「債務不履行」を主張するには、次の条件が必要です。
@相手方が契約違反を犯し、それについて相手方に責任があること。
A相手方の契約違反が違法であること。

 ただし例外として、金銭債務については@の条件は不要です。自分の責任によらない事情で金銭の支払いが遅れた場合でも、遅れた期間に応じて賠償をしなければなりません。
「不法行為」の場合は以下の要件が必要です。
・加害者による違法な権利侵害があること。
・加害者に責任があること。
・被害者に損害が発生したこと。
・権利侵害と損害との間に因果関係があること。

 責任とは加害者が故意、または不注意で損害を及ぼした場合をいいます。また、その行為の是非を判断する能力(責任能力)がない場合、例えば幼児や心神喪失中の行為は責任を負いません。ただし、その者を監督すべき法定の義務がある監督義務者などが責を負う場合があります。また、泥酔して相手を傷つけたような場合は、自ら招いた一時的な心神喪失ということで、責任を免れる理由にはなりません。





弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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