ベルヌ条約とは何を決めたもの

 ベルヌ条約とは、著作権の国際的保護条約の1つです。
 成立は1866年(明治19年)、正式名称は「文学的および美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」です。1906年(パリ追加規定)以降7度にわたって改正されてきました。
 日本も1899年に加盟して以来、すべての改正条約に加盟しています。
 内容は、国際間での著作権保護についてのルールです。著作物は国境を越えて世界に広がっていくものです。地域によって法的な保護が異なれば、知的財産の流通は大きく妨げられたり、あるいは著作者の利益が不当に侵害されることにもなりかねないのです。
 では、ベルヌ条約にはどんなことが定められているのでしょうか。
 ベルヌ条約には4つの大原則があります。@内国民待遇の原則、A無法式主義、B死後50年の保護期間、C著作者人格権の保護です。
 内国民待遇の原則とは、「同盟国の著作物の権利を、自分の国と同じように認める(同盟国の国民と准同盟国国民に対して、保護すべき著作物は自国の内国民と同一の権利能力を認める)」ということです。
 無法式主義は、著作権は登録などの手続きをとらなくても取得・行使できるというものです。死後50年の保護期間とは、著作権の保護期間を著作者の死後50年までとするものです。著作者人格権の保護とは、他人に譲渡できる通常の著作(財産)権のほかに、他人に譲れない著作者人格権の存在を認めるというものです。
 ここで問題となったのが、無法式主義でした。アメリカなどは著作権保護に関して一定の方式(著作物の登録など)が必要だったため、ベルヌ条約に加盟しなかったのです。
 こうした国々とベルヌ条約加盟国とを結びつけるために万国著作権条約(1952年)が生まれ、その結果、こうした国々と相互に著作権が保護されるようになりました。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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