意匠ってなに?

 意匠とは「物品の形状・模様もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう」と意匠法2 条に定義されています。具体的には、商品のデザイン、インダストリアル・デザインです。
意匠は、優れた発明の具体的な成果であるとともに、商標などと同様にその商品の標識としての機能も果たしているため非常に重要です。もし、商品のデザインが無制限に模倣されてしまったら、消費者は商品の区別がつきにくくなってしまいます。これをさらに厳密かつ具体的に説明したものが「意匠の4 形態」に分類されています。
@物品の形態、A物品の形態と模様、B物品の形態と色彩、C物品の形態と模様と色彩、です。
わかりやすく簡単にいえば、物の立体的な輪郭、そしてそれが表面の色や装飾と一体となって意匠となるのです。単なる図柄や図案だけでは意匠になりません。
意匠は年間4 万件を超える登録が行われています。とにかくありとあらゆる種類の物が対象です。文具、日用品、機械器具、そして衣類や食品などまで含まれます。もちろん、インダストリアル・デザインとして独創性に富むもの、他人が先に出願していないことなどが条件になります。
意匠は、意匠登録することではじめて意匠権が発生し「業として意匠およびこれに類似する意匠の実施する権利を専有」することができるようになります。意匠権の及ぶ範囲は登録意匠とそれに類似する意匠も含まれます。なぜ、登録意匠だけに限らず、類似する意匠も含まれるのでしょうか?
それは、登録した意匠を使用しているうちに、部分的に修正して使用するケースが少なくないからです。時代の流行にともなって少しずつデザインを変えていくこともあります。そうした変化の幅も含めて、1 つの意匠としての意匠権が認められているのです。


弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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