◆知的財産に関する法律にはどんなものがある?
知的財産権に、著作権、工業所有権、種苗法上の権利、商号権などがあることは、前項で述べました。ひとくちに知的財産といっても、その内容は非常に幅広いのです。 さらに、社会の発展にともなって次々に新しい知的財産が生まれています。知的財産権を保護する法律も、内容に応じて多くの種類があります。具体的に挙げてみましょう。 発明には「特許法」、考案には「実用新案法」、意匠には「意匠法」、商標には「商標法」があります。ここまでが一般に「工業所有権」と呼ばれてきた知的財産の権利に関わる法律です。 さらに、これ以外のテクノロジーに関する保護法としては、トレード・シークレット(営業秘密)には「不正競争防止法」、植物の新品種には「種苗法」、半導体集積回路のレイアウトには「半導体集積回路の回路配置に関する法律」、商号には「商法」などがあります。 また、以上のような産業分野ではなく、主として文化の発展に寄与するものを保護する法律として、「著作権法」があります。 著作権法が対象とするのは、文学、文芸、学術、美術、音楽などに関わる著作物(作品)です。 以上のような法律は、社会の変化に応じてたびたび改正がなされています。たとえばコンピュータ・ソフトウェアの保護については、著作権法の改正によって著作物として保護されるようになりましたが、その後、特許法でも保護されるようになっています。 このように、現実の変化のスピードに法整備がなかなか追いついていない一面もあり、個別の法律がまだ整備されていない分野もありますが、たとえば有名人の氏名や肖像などを営業的に利用することに対する「排他的権利」(パブリシティ権)などは、判例によって認められるようになっています。
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