◆知的財産とは?
知的財産は、人間の知的生産の成果といえるものです。具体的には精神的創作物に始まり、営業上の信用というような観念的なものまで含まれます。 こうした知的財産は、実際に存在する「物」ではなく、無形の「情報」のため、それが公開された時点で、誰でも無断複製や無断使用、無断利用、または模倣することができるようになってしまいます。
たとえば、あなたの描いた絵を誰かが勝手に複製して販売したり、そっくりに模写してその人物の名前で発表されたり。また、あなたが発明した新しい電機製品をいろんなメーカーが一斉に発売したり。あるいは、あなたの商店が代々使ってきた商号とマークを、近所にできた新しい店がそっくり真似したり。 つまり、知的財産はたやすく侵害されてしまうということです。
しかし、そんなことが自由に行われれば、社会の公正な競争、健全な発展は大きく阻害されてしまうでしょう。せっかくのアイディア、膨大な開発費、長年積み重ねてきた顧客の信用などが、まったく無意味になってしまうのです。そんなことにならないように、こうした知的財産が法的に保護されるのは当然といっていいでしょう。 では、どのようにして知的財産を保護するのでしょうか。
具体的にはさまざまな方法がありますが、基本的には、こうした知的財産を排他的に独占することのできる(他人が利用することを排除して、独占的に利用できる)権利、すなわち「知的財産権」を認め、権利者の権利の範囲や権利侵害に対する措置などを法律で定めているのです。
この知的財産権の内容を具体的に挙げると、「著作権」「工業所有権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)」「種苗法上の権利」「商号権」などがあります。いずれも排他的な独占権であるという点で共通しています。
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